ブックレビュー2~『知性を磨く―「スーパージェネラリスト」の時代』
ブックレビュー2回目は新書からの紹介。
知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)
- 作者: 田坂広志
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/05/15
- メディア: 新書
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田坂広志氏の本は税理士事務所に勤め始めた頃、古本屋でふと手に取ったことを切っ掛けに読み始めました。
21世紀に活躍する人材がいかなる人物で、そのような人物になるにはいかなる知性を身につければ良いのかを記した本です。
個人的に将来の方向性に迷いが生じていた時期に読んだので、その深い洞察にうんうんと頷きながら読んでいました。
特に読んで印象に残ったポイントは「知性」と「知能」は似て非なるものであるという点。
「知能」とは→答えがある問いに対して、早く正確に答える能力
「知性」とは→答えがない問いに対して、問いを問い続ける能力
言い換えれば
「知能」→言葉で表せる能力、専門的な知識
「知性」→言葉では表せない能力、職業的な知恵
とのこと。
まさに、受験勉強、資格試験などは「知能」ですよね。
では、もう一方の「知性」とはどんなものかというと、
「思想」「ビジョン」「志」「戦術」「戦略」「技術」「人間力」
と、全部で7つ挙げられていました。
これからはこの7つの知性を備えた「スーパージェネラリスト」が活躍する時代になる、と述べています。
知識だけでは必ずしも活躍は保証されていないということですね。
この「知能」と「知性」の違いを問う例として、本書では
「なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか」
という、ある意味辛辣な問いを発しています。
読んでいて、「あぁ、確かにそういう人いるなぁ。」と頷いていました(笑)老若男女問わずいますよね。自分も深みについてはまたまだですが。
深みの違いは「知能」で答える問いと「知性」で問い続ける問いとの違いだったんだと、本書で改めて教えて貰いました。
著者の田坂広志氏は、大学院で原子力の研究をされた後、民間企業で営業で活躍されてきた方。
「営業で売るのは商品ではない。その人間と組織である。」
この田坂氏の言葉は、士業を志す方も肝に銘じておいて良いのではないかと思います。
ブックレビュー1~『6色蛍光ペンでわかる経済』
ブックレビューで読書してきた書籍について所感を述べていきたいと思います。
第1回目は経済学の石川秀樹氏の本。
6色蛍光ペンでわかる経済―「思考パターン別・塗り分け勉強法」で経済・ニュースを理解する
- 作者: 石川秀樹
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2004/05
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 6回
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この『6色蛍光ペンでわかる経済』は、勉強法で参考にしようと思い購入した書籍です。
著者の石川秀樹氏は各資格試験の経済学の講義を担当しておられる方で、ネットでも無料講義を配信されております。
講義も一部視聴しましたが、これが非常に分かりやすいです。講義の視聴中にこの6色蛍光ペンを知りました。
その講義のテキストが以下の二冊。
『6色蛍光ペンでわかる経済』では、テキストで経済学の勉強をするときには、テキストの内容を6つに分類し、それぞれを6色の蛍光ペンで色分けする勉強法を紹介しています。
具体的には下のように、
定義→ピンク
仮定→青
分析→黄
結論→オレンジ
長所→緑
短所→紫
と内容を分類します。
この色分けの方法に至った理由として、出来るだけインプット時間を減らすよう効率化を求めたためであるとのこと。
サブノート作成などは作成中に勉強になることはあったとしても、実際は作業している時間が大多数を占め、非効率ではないかと。
出来るだけインプット時間と作業時間を減らすなら、テキストを直接カスタマイズし、かつ、テキストの見直しが容易に出来るようにする方法が良いということが述べられていました。
個人的に6色蛍光ペンが良いと思った理由が、見直しの際、結論だけ知りたいときはオレンジだけ見る、長所と短所だけ知りたいときは緑と紫、と目的に沿って見直しが出来るという点。
また、色分け作業をすることで、内容を分析・整理する力が付くのも利点ですね。
では、税務含め法律の勉強にはどう活用するかという点ですが、『6色蛍光ペンでわかる経済』では憲法の勉強が一例で載っていました。
他には、判例の勉強に有効ではないかと思いますね。
判例には、納税者、課税庁、最高裁と三者が登場するので、各者の主張を三色で分ければ、判別しやすくなります。
加えて、条文規定、理由などを色分けすれば5色で大まかに構造把握しやすくなります。
利用方法も6色にこだわらずに、色分けの意味付けや色の数も自分なりに工夫できるので、誰でも始めやすいと思います。
難点は、繰り返し読むテキストに限られることでしょうか。じっくり取りかかることになるので、流し読みの本には向かないでしょうね。
勉強法を研究中
最近、勉強法の本を購入して今後どう勉強していくか研究しています。
先日、購入した本は次の二冊。
実務における勉強の目的は大きく
(1)資格取得
(2)知識・スキル・教養を拡げる
の2つに分けられます。
上記二冊とも、この2つの目的にかなった内容でしたが、特に印象に残ったポイントは、
(1)大学受験・資格試験の問題集で必要な知識を身に付ける。
(2)全体図を素早く把握する。
という二点。
(1)は『新・独学術』から、(2)は『超高速勉強法』からです。
(1)については、パレートの法則を例にその有用性が説明されていました。
パレートの法則とは、
「全体の数値の80%は、20%のものが占めている」
というもの。
これを(1)に当てはめると、「問題集で問われている部分の80%は、参考書の重要項目の20%を占めている」となります。
問題集を解いて、重要項目である20%を押さえる、という提案は 時間との勝負になるビジネスマンの勉強には有効ですね。
(2)はよく言われることですが、改めて重要と思ったポイントです。コツコツ積み上げるより、全体を素早く勉強する方が
1.勉強時間よりも回数を意識出来る
2
.各項目と関連付けて勉強することが容易になる
とのこと。
目新しいことはないかもしれないですが、勉強の有用性考えると正統派勉強法には落ち着きますね。
実務に繋げるための勉強計画
税理士試験が終わり、すっかりお盆休みに入りました。お盆休みに飲みの誘いが多く、ご縁があるのか休める日がありません。
ひとつ区切りが付いたところで、事務所勤務を始めてからそろそろ一年が経とうとしています。
実務を通じて肌身で感じた実感としまして、やはり試験と実務は違うなと。ありきたりですが。
それでも、試験で学んだことは役に立っています。実質、試験で学んだことは全て役立つのでしょうが、実務上扱う項目と実務の慣れからか、結びつくまでに多少の時間が必要のようです。
さて、これからの予定は実務に繋げる勉強を随時進めていきます。実務を通じて必要と感じたのは次の分野です。
財務会計、財務分析、所得税、住民税、事業税、印紙税、給与計算、社会保険、会社法、民法、憲法、不動産関係、建築関係
細かく挙げるとまだまだありますが、とりあえずはこれだけでしょうか。試験で触れた税法以外の知識がクライアントに説明する際に必要であると強く実感しました。
これらの分野をどう勉強していくのか、一年間考えながら模索していました。 今の段階での結論は、資格試験の勉強を皮切りに知識を増やしていこうということでした。
現在、手掛かりにしようと考えている資格は以下の通り。
FP、行政書士、ビジネス実務法務検定、宅建、中小企業診断士、建築士、社会保険労務士
これだけの資格を全部取得するのはさすがに無理なので、取得を目的とせず仕事に活かすための勉強に利用しようと思います。
資格試験で勉強するアプローチには、
①資格取得を目標に勉強し知識を増やす
②資格取得は仕事に活かしてきた総仕上げのために取得する
の2つがあるかと思います。今回は②の方針で進めていきます。
まずは、所得税と不動産関係からFP、会社法と民法関係からビジネス実務法務と行政書士を手掛かりに勉強を始めようと思います。
使っている本のブックレビュー等も随時アップしようかと考えています。
税理士試験終了
8月9日の第67回税理士試験法人税法、無事受験を終えました。
試験会場の教室に入り黒板を見ると、答案用紙のページ数が
第一問 3ページ
第二問 4ページ
計 7ページ
と目に飛び込んできたときは、恐らくほとんどの経験者は去年の本試験の問題が頭をよぎったと思います。
つまり、法22条の解釈型問題。
今年もやっぱり出るかと考えたのは自分だけではなかったと思います。まぁ出るというのは重々承知で対策を立ててきた訳ですから当然といえば当然です。
しかし、蓋を開けてみると、
外国子会社配当等
外国税額控除
タックスヘイブン税制
という理論問題構成。
法22条が全く出ていない肩透かしよりも、青色申告とタックスヘイブン税制が出題された肩透かしのほうが相当堪えたところが多いという印象です。
私は大原を受講していたのですが、この2つの理論は両方Cランク。出目の低い理論として挙げられていました。もちろん答練では一切出題なし。
後に雑誌の会計人コースを確認してみると、タックスヘイブンの予想を立てていたのが大原のみだったということが分かりました。青色申告は一切なし。
とはいえ、大原はCランクが出ないとは一切述べていませんし、授業でも解説はしていたので、満遍なく確認することを怠らなかった人に有利に働いた問題でした。
計算も個別問題形式での出題。工事、貸倒引当金、減価償却、特別償却準備金、交際費等という出題でした。
コメントが求められている箇所があり、模試等でそう多くは対策を立ててないところもあり、すべて書き切った人はそれほど多くはないとみています。
所感としては、去年よりも解きやすい分、理論は意表を突く問題、計算は油断を誘うような問題構成で、何かしらの問題が解けていないというところです。
とりあえず、試験が終わりました。12月まで結果待ちですが、別の勉強計画がありましたので、その勉強を始めていこうと思います。
直対①②
直前期真っ只中のためブログ更新停滞気味ですが、遅ればせながら第1回第2回直対の模試結果の発表です。
直対①
理論 30点 57.85%
計算 46点 4.21%
合計 76点 24.39%
直対②
理論 32点 60.71%
計算 34点 40.47%
合計 66点 51.71%
この上無く不安定な成績。特に理論は①では規定理論の抜き出しミス、②では分割の該当理論の選択ミスで大きく減点です。
計算は①は上々の出来。
②は取っ付きの悪い問題と0記入で指示を漏れなく読み取り対応させる問題で要復習です。
理論の当たりどころが悪いといえばそこまでですが、法的理由で点数を稼いでいるのは去年と比べてそれなりの進歩です。
あと少しなのでめげずに詰めていきます。
第2回プレ
※ネタバレあります
日曜ロングクラスで直対①とプレ②の2本の模試を立て続けに受験しました。
朝から持病の眼精疲労にやられて体調不良を理由に受験を持ち越そうかと考えましたが、教室受験、受験時間シミュレーションを重視して何とか受験。眼精疲労は指でマッサージして乳酸の分散で対処することで何とか普段通りの体調で受験できました。
直対①は答案返却時に成績を書きます。簡単に書けば計算はバッチリ、理論はまたやらかしました笑
プレ②の結果です。
理論 41点
計算36点
合計77点
午後の受験で少し気が抜けたせいか、計算で少しつまづきました。計算は特殊論点を多く寄せ集めた印象。税効果会計、 資本等取引、工事損失など、少し普段と違う処理が求められる問題でした。
丁度曖昧になっていた論点だったので良い復習になりました。
肝心の理論ですが、こちらはあまり出目が高くないのではと思う論点、法22条、申告関係、有価証券、DESなど。
法22条は無難に解答。DESも仕訳は完璧に解答し、法的理由も要点を示していたため大方は加点です。
申告関係は最後の更正の請求だけミス。直対テキストに載っていた項目なので、また復習しなければ。
直対①とプレ②。あっち立てばこっち立たずという成績が続いています。なかなか気持ちとしてはスッキリしません。しかも、ここ最近は体調不良が甚だしく、まともな勉強が出来ていない状況です。何とか本腰を入れなければ