仮計をどう活用していたか~消費税法~
税理士試験の消費税法の受験仲間の内で必ず議論になる、問題を一枚の用紙に仮計して解くか、直接転記で解くかという話題。
両方の方法で合格した方を知っていますので言えることですが、消費税法で一番大事なのは一取引の判断スピードと正確性を高めることです。
仮計云々は合格の本質を突く話題ではないので、結論はどちらでも良いということになります。
では、どちらの方法を選んだら良いかとなると、これは肌感覚で解きやすい方を選ぶのがベストです。
私の場合は、最初は仮計で解いてましたが、途中で直接転記も試し、結果として点数が安定して取れていた仮計を採用しました。基本問題を解き、ケアレスミスが少ない方法を採用すれば良いのでないかと思います。
仮計を採用した場合、ネックになる点がいくつか出てきます。
・仮計してから→答案転記の二度手間で時間がかかる
・転記する際に数字を書き間違える
・単純に二回書くので、書く分量の負担が増える
試験直前の問題になりますと、書く負担が相当増えるので時間も足りなくなってきます。この点は時間短縮できる直接転記の方が軍配があがるかと。
私の場合は、仮計のネックがあだとなり修正しきれなかったため一年目は不合格。二年目から仮計の活用を工夫し、心理的負担を軽減するよう努めていました。
以下、その工夫とメリットを書きます。
①課税売上と課のみ仕入れは直接転記する
課税売上と課のみ仕入れの金額は答案用紙に記入する場合、枠の一番上に書くことが多く、ほぼ固定されていて変わらないため、わざわざ仮計に書かずに直接答案用紙に記入しました。少しでも書く分量を減らすためです。
②数字は千円未満を出来るだけ省略する
例えば1,000,000円を仮計に書く場合、
1,000
と書いていました。
金額を仮計に書く場合、1,000,000円をそのまま書けば、0を六つ書くことになります。それを省略すれば単純に0を余分に書く負担が減ります。
千円未満が0でない数字の場合はさすがに書かないといけませんが、書き方は統一していました。
例えば、234,500円なら、234-5
リサイクル預託金380円なら、0-38
千円未満を示す目印に-(バー)を使っていました。これは手書き上、カンマや点と勘違いしないように視覚的に千円未満と区別出来るようにバーを採用したのが理由です。
なぜこのような書き方をしているのかという理由については次の項目が関係します。
③電卓集計のために縦に揃えて書く
答案用紙に記入する場合、横書きで数字と数式を組んでいきます。
250,000+500,000+3,000,000+380=3,750,380
この数式を見ながら、目を横に移動させて電卓集計するやり方が個人的にやりにくいと感じていました。そこで仮計を利用していました。
仮計に先ほどの省略形で縦に数字を書きます。
250
500
3,000
0-38
これを数字そのままで電卓集計し、合計(3,750.38)に×1,000をすれば、3,750,380円になります。
省略形で書いた分、0三つ分電卓で叩く必要がありませんので、書く負担も電卓を叩く負担も減ります。代わりに-(バー)は小数点を叩く必要があります。
非課税売上や共通課税仕入れの集計のときは大分と負担が軽く感じました。
④按分式の数式と答えを仮計に書く
答案用紙には解答として按分算式を書く場合があります。
ただし、答案用紙には按分計算の答えを書かないことが多いので、電卓集計のときに按分算式の答えを叩き直す必要も出てきてしまいます。
そこで仮計に先に算式の答えを出して書き込んでおきます。
4,000,000×1,250,000/5,000,000=1,000,000
これを省略形にして、
4,000×1,250/5,000=1,000
と書いていました。
集計のときはこれを電卓を叩くだけです。
仮計のメリットは正確性が増すことと、整理していくことで心理的な落ち着きが得られることだと思います。加えて上記のような工夫をすれば、仮計の時間がかかるというデメリットはそれほど気にならなくなるかと思います。
ただし、仮計からの転記は慣れないといけないかと思います。省略形なのでそのまま省略形で転記してしまったり。そこは意識的に練習してほとんど間違えなくなりましたが。
仮計で解いている受験生で何かしっくりしないと感じている方がいらっしゃれば参考にしていただけたらと思います。