日日是好日~税務にまつわる日々の記録〜

税理士試験と税務実務とそれにまつわることを徒然なるままに書いていくブログ

ブックレビュー2~『知性を磨く―「スーパージェネラリスト」の時代』

ブックレビュー2回目は新書からの紹介。

 

 

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)

 

 田坂広志氏の本は税理士事務所に勤め始めた頃、古本屋でふと手に取ったことを切っ掛けに読み始めました。

 

21世紀に活躍する人材がいかなる人物で、そのような人物になるにはいかなる知性を身につければ良いのかを記した本です。

 

個人的に将来の方向性に迷いが生じていた時期に読んだので、その深い洞察にうんうんと頷きながら読んでいました。

 

特に読んで印象に残ったポイントは「知性」と「知能」は似て非なるものであるという点。

 

「知能」とは→答えがある問いに対して、早く正確に答える能力

 

「知性」とは→答えがない問いに対して、問いを問い続ける能力 

 

言い換えれば

 

「知能」→言葉で表せる能力、専門的な知識

 

「知性」→言葉では表せない能力、職業的な知恵

 

とのこと。

 

まさに、受験勉強、資格試験などは「知能」ですよね。

 

では、もう一方の「知性」とはどんなものかというと、

 

「思想」「ビジョン」「志」「戦術」「戦略」「技術」「人間力

 

と、全部で7つ挙げられていました。

 

これからはこの7つの知性を備えた「スーパージェネラリスト」が活躍する時代になる、と述べています。

 

知識だけでは必ずしも活躍は保証されていないということですね。

 

この「知能」と「知性」の違いを問う例として、本書では

「なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか」

という、ある意味辛辣な問いを発しています。

 

読んでいて、「あぁ、確かにそういう人いるなぁ。」と頷いていました(笑)老若男女問わずいますよね。自分も深みについてはまたまだですが。

 

深みの違いは「知能」で答える問いと「知性」で問い続ける問いとの違いだったんだと、本書で改めて教えて貰いました。

 

著者の田坂広志氏は、大学院で原子力の研究をされた後、民間企業で営業で活躍されてきた方。

 

「営業で売るのは商品ではない。その人間と組織である。」

 

この田坂氏の言葉は、士業を志す方も肝に銘じておいて良いのではないかと思います。